環境制御で育てているキュウリの世話をする原田さん夫妻。キュウリのことを考えるのが楽しいという=武雄市朝日町のトレーニングファーム

 -夫婦で研修し、人生かけている感じですね。

 脱サラは勇気が要った。高卒後、14年ほど老人福祉施設でケアマネジャーなど務めた。一生懸命貢献しても、勤め人は全て評価されるわけでない。思い入れのある職場だったので、転職するなら違う分野にと考えた。妻は実家がお茶農家で、農業をやりたいと。当初全く視野になかったが、調べたらキュウリは収量が多く、稼げていた。環境制御栽培でデータがあり、勘や経験に頼らず素人でも取り組める。近くの農家で体験もして楽しいなと感じた。

 -経済的には大丈夫ですか。

 研修は無給。就農給付金が年間150万円あって、2人で300万円。家のローンもあるが、このおかげで何とか踏み切れた。

 -キュウリの栽培は忙しいでしょう。

 どんどん実がなるので、毎日、収穫に追われる。朝7時から収穫した後、午前中は芽摘み、午後、葉っぱ摘みなどの管理作業にあたる。ミーティングや勉強会もある。サラリーマン時代と一番違うのは充実感。以前は次の休みがモチベーションだったが、今はキュウリの管理をこうしよう、ああしようと楽しく考えている。

 -理香さんはどんな感想ですか。

 小2~中3まで子どもが4人いる。前の介護職の時は「休んでいい」と言われていても、気兼ねがあった。今は、子どもの病気や行事とかでも簡単に休めるので、気持ちがすごく楽になった。一日一日キュウリの様子が違う。水の量などを主人と相談しつつ、結果も出るので楽しい。

 -研修も最終の2年目です。

 今までは先輩研修生の指示に従っていたが、これかは自分らが主体。今月下旬に新しいキュウリの木(茎)を植える。環境制御があるとは言え、木の状態を見ての管理が重要だ。その時々のキュウリの状態を把握したい。

 -講師は、日本有数のキュウリ農家。先輩研修生は平均的な農家の倍近い収量を上げました。

 施設も最新のものが導入されていて、本当に恵まれた環境。ここに来て間違いなかったと確信している。自分の判断で出荷し、お金も管理するので経営まで学べる。卒業後は東川登の自宅の近くにハウスを建て2人で働く。今のうち、いろいろと失敗したい。これからの長い就農期間を考えれば2年はあっという間、意義ある時間だと思う。

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