多彩な作品が並ぶ現代工芸美術九州会展=有田町の九州陶磁文化館

辻拓眞さんの「築―kizuku―」

丸田延親さんの「夕暮れの海」

松永好昭さんの「無限」

中村慎さんの「風の息」

 九州各地の作家の多彩な工芸作品がそろう現代工芸美術家協会九州会の第32回展。陶磁や染織、紙、人形、ガラスなど会員や一般の43点が並ぶ。それぞれのライフワークのテーマをさらに掘り下げた秀作、作風の幅を広げる意欲作が会場を彩る。

 最高賞の青木龍山賞は、中村慎さん(有田町)の白磁「風の息」。たなびくようないくつもの彫りと、口縁の大きなうねりが特徴の大作で、呼吸するような風の強弱を表現した。釉薬をスプレーで効果的に吹き付け、磁器のマット感と釉薬の艶を共存させている。「目に見えない自然をテーマに表現していきたい」と話す。

 2席の現代工芸美術家協会九州会会長賞は、松永好昭さん(福岡県粕屋町)の陶器「無限」。2017年の有田国際陶磁展の最高賞受賞者で、地元の山などの景色を追求している。マスキングの技法による白い縞模様の流れや広がりが、躍動感を生み出している。

 佐賀県知事賞には丸田延親さん(武雄市)の陶器「夕暮れの海」。炭化焼締の花器で、闇に包まれていく空のグラデーションや水平線、海の色を、流れるような複数の隆起をはじめ、焼き上げる際に使う炭やもみ殻、木くずの素材の違いで表した。立体的に見える水平線が目を引く。

 九州陶磁文化館長賞には、辻拓眞さん(有田町)の磁器のオブジェ「築―kizuku―」が選ばれた。今年の日本現代工芸美術展の現代工芸新人賞を受賞した若手作家。薄い板を積み上げた建物状の作品で、青白磁釉を吹き付けた。築く工程や構造をあえて見せている。

 ▼西松浦郡有田町の九州陶磁文化館=電話0955(43)3681=で15日まで。入場無料。

 

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