ハンセン病家族訴訟で安倍晋三首相が控訴しない方針を示したことについて、佐賀県内の関係者は首相の思惑をいぶかりながらも結果については率直に評価した。熊本地裁で口頭弁論などを傍聴したことがある「ハンセン病問題を共に考えるネットワーク・さが」事務局の中村久子さんは、「首相の思惑はどうあれ、控訴断念は本当に良かった」と安どの表情をみせた。

 「訴訟を起こした(ハンセン氏病患者の)家族はかなり高齢で、政府が控訴してもう一度裁判となれば、精神的にも体力的にも厳しい状況に追い詰められるところだった」。中村さんは、勇気を振り絞って立ち上がり、法廷闘争を続けてきた原告団をいたわった。

 原告側勝訴の意味について、中村さんは「佐賀県内では、ハンセン病患者の家族や親類が抱いていた思いを晴らす結果にはなったのでは」と語り、「被差別部落の関係者や旧優生保護法で不当な手術を受けた障害者らにとっても、内在化した差別を取り除く勇気を与えるものだ」と、評価した。

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