貯水量率が12.9%と過去最低になり、水没していた橋などが姿を見せた嘉瀬川ダム=佐賀市富士町、銀河大橋より

 観測史上最も遅く梅雨入りした佐賀県内は、その後もまとまった雨が降らず、佐賀市の嘉瀬川ダムの貯水率も過去最低を更新し続け、8日現在で12・9%に低下した。農業関係者は「夏場の用水不足が心配で、せめて例年並みに降ってほしい」と気をもんでいる。

 佐賀地方気象台によると、九州北部が平年より21日遅く梅雨入りした6月26日以降、佐賀市では30日までに雨が5日間降ったが、合計50ミリにとどまった。7月は2日の44・5ミリが最多で、総雨量は8日までで76・5ミリ。豪雨に見舞われた九州南部とは対照的だ。1カ月間の雨量で見ても6月は97・5ミリで平年の29%、7月も現段階で22%だ。

 気象台は「太平洋の高気圧が弱く、梅雨前線が北上しない」と説明し、今後の雨量も「平年よりやや少なめ」と予測している。

 県河川砂防課によると、ダム流域の月別降雨量は昨年10月以降、小雨傾向で、6月までは38~87%で全て平年値を下回った。ダム貯水量は653万トン、貯水率は12・9%まで低下した。

 ダムでは放流量を通常の半分にカット、水道水などの上水や工業用水の取水を15~20%制限し、かんがい用水も「自主節水」にする非常事態が続いている。農業用水を受ける白石土地改良区は「何とか田植えはできたが、夏場に用水不足にならないか」と心配する。

 ダムを管理する国土交通省武雄河川事務所は「毎日0・5%ほど貯水率が減っており、数百ミリの雨では好転しない」とみている。

 上流に位置し、農業用水を賄う北山ダムは8日現在で貯水量が1731万トン(貯水率78%)あり、ここからの融通が必要になるとの見方もある。県河川砂防課は、2012年の嘉瀬川ダム供用前に戻る状況と説明し「仮に貯水率がゼロになっても、市民生活に影響する断水は避けるようにしたい」と話す。

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