「九州文學2019夏号」表紙

 「九州文學2019夏号」(通巻569号)が発刊された。佐賀からは唐津市の小松陽子さんが小説「僕の人生修行」、伊万里市の高森保さんが詩「『改元』遭遇」を寄せている。

 小松さんの小説は、父が蒸発し母一人に育てられた青年「一郎」が主人公。人間関係にもまれながらも成長しささやかな幸せを掴(つか)んでいく一郎の姿と、らせん状に積み上がっていく家族の歴史が折り重なる。

 高森さんは昭和、平成、令和と移り変わる時代を振り返り平和を考える。近隣諸国との関係性や憲法改正の動きに触れ、「浮かれてはならない」と戒める。

 野沢薫子さん(長崎県)はテンポの良い語り口の小説「月の出ぬ間に」で、たくましく生きる女性の半生を語る。宮川行志さん(熊本県)の小説「百舌鳥の高音(実録「H」の記憶)」は、国民学校初等科時代で出会った優秀な友人Hの死を思い、戦後の新教育を推進するため設定された「モデルスクール」の詳細を書き記した。

 ▼A5判、268ページ。1000円(税、送料込み)。問い合わせは編集発行人の波佐間さん、電話093(244)8501。

このエントリーをはてなブックマークに追加