真空管アンプから音楽が流れる図書室でくつろぐ社長の立花研一郎さん=唐津市東城内の水野旅館

 唐津市東城内の水野旅館が、登録有形文化財の本館に隣接する別館に図書室とラウンジを設けた。インバウンド(訪日外国人客)をはじめ連泊、滞在型の宿泊客が増える中、くつろぎの時間を提供する。

 事務室に使っていた10畳の部屋を洋風の図書室に、仲居部屋だった8畳間をラウンジにした。登録有形文化財の手続きを支援した「唐津ヘリテージ機構」理事長の菊池郁夫さん(64)のアドバイスを受け、天井板や柱、格子窓など古い築材はできるだけ残した。

 書棚には絵本、漫画本、小説、図録など3千冊以上の本が並ぶ。社長の立花研一郎さん(66)が「悩み多き青春期に読んだ」という哲学書や、横綱大鵬ファンだった先代女将が愛読していた大相撲月刊誌もあり、家族経営の老舗旅館の“ファミリーヒストリー”も伝わってくる。

 ラウンジでは旅館で使っている唐津焼の窯元や食材を紹介する映像を流す。立花さん夫婦がカメラを回し、インタビューした。最近は外国人客が宿泊客の3割を占めるといい、立花さんは「日本の若い人を含め、ゆっくり過ごす宿泊客が増えている。部屋だけでなく共用スペースでくつろいでほしい」と話す。

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