乾田直まき(手前)と通常の田植え(奥)で酒米を植えた田んぼ。苗の生育は見た目には違いが分からない=佐賀市川副町の佐賀県農業大学校

 佐賀県農業大学校(永渕和浩校長、55人)は、乾田直(じか)まき方式による水稲栽培の実験をしている。田植え作業が不要となるため、大幅な省力化が図れるという。大きめの米粒の収穫が見込めそうとして、酒米を育てている。

 乾田直まきは、畑の状態の圃場に、じかに種をまく方法。通常は田植えの苗を育てるために、10アール当たりの水稲作業の約3割に相当する約8時間(県調べ)を費やしている。直まきは、この過程が必要なくなる。麦用の農機をそのまま使って種まきできるため、農家も取り組みやすいメリットがある。

 農大では約50アールで酒米「山田錦」を栽培。比較するため、直まきと通常の田植え両方で育てている。永渕校長が昨年、乾田直まきで「さがびより」の栽培実験をしたところ、通常より大きな米粒が採れたため、大きさが求められる酒米を試すことにしたという。

 直まきは5月上旬に種をまいて20日ほどたった後、水を張った。有効な除草剤が開発されたといい、見た目は双方、同じ青田で違いはない。同時に水稲の有望系統も栽培している。水不足にも強い直まきは、かつては白石地方などで行われていたが、雑草が生えるのが欠点だった。

 今後、生育や収量、コスト削減効果などを学生が調べる。永渕校長は「倒れやすい酒米の直まきは先例もないが、適性があるか調べたい」と話す。

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