数々の受賞作やパネルなどが並ぶ会場=佐賀市の県立美術館

久留米絣を使ったドレス「蜻蛉(トンボ)」(2010年)

NDCで総理大臣賞に輝いた「シルクロード」(1989年)

緑ドレスメーカー服飾専門学校創立60周年で、中国・浙江理工大学から贈られた「蘭亭序」の写し

 佐賀から全国、そして世界へ-。創造的でエレガントな装いを生み出し、発信してきた先駆者の美への探究心に触れる。緑ドレスメーカー服飾専門学校(佐賀市柳町)の創立75周年記念展覧会。同校校長でデザイナーの谷口緑さん(94)が紡いできた戦後の服装の歴史を、NDC(日本デザイナークラブ)グランプリコンテストの総理大臣賞をはじめ、数々の受賞作品やパネルで振り返る。

 

 佐賀市生まれの谷口さんは杉野ドレスメーカー女学院(東京)を卒業後、1943年に18歳で「緑洋裁研究所」を開き、指導に当たった。64年には研修で欧州11カ国を歴訪。その後、フランス・パリに滞在し、佐賀新聞社特派員として、ディオール社のコレクションを見て、オートクチュール(高級仕立て服)の立体的なシルエットに衝撃を受けた。コレクション4点を独占的に紙面で発表した。

 70年には「立体裁断」を米ニューヨーク州立FIT工科大学で学び、洗練された服作りにまい進。1980年代後半は、中国・杭州の浙江絲綢(しるく)工学院(現・浙江理工大学)などで、全国から選抜された26大学の指導者に講義も行った。

 今回は、NDCコンテストで総理大臣賞に輝いた「シルクロード」や、技法が国の重要無形文化財に指定されている久留米絣を使ったドレス「蜻蛉(トンボ)」など合わせて32点を並べる。2005年、緑ドレスメーカー服飾専門学校の創立60周年で、浙江理工大学から贈られた書「蘭亭序」の写し(シルク織り)や、開校間もない頃の谷口校長の写真なども展示している。

 谷口校長は「『洋服は心に合わせて作る』をモットーに、教師と生徒、アトリエ一体で頑張ってきた。佐賀の女性や子どもたちの応援が支えになった」と感謝を口にする。

 

7日まで県立美術館

 ▼佐賀市城内の県立美術館2号展示室で7日まで、入場無料。

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