降り続いていた雨がやみ、夏の決戦が始まった。4日に公示された参院選で、佐賀選挙区は自民党現職と、野党統一候補の国民民主党元職との選挙戦になった。両候補は出陣式で、老後資金問題や東京一極集中の是正、佐賀が直面する国策課題を巡り、熱い論戦を展開した。(上から届け出順)

 

 

山下雄平候補 自民・現  

■「地方豊かに、公正な社会を」

 【第一声】相手の立場に立ち、自分のことのように物事を判断するのが公正な社会と、大学時代に政治思想の本で学んだ。私の政治の原点だ。

 ただ、私自身その視点がまだ足りていなかった。山間部の生活を分かったつもりになっていた。日々の生活が簡単ではないことを理解しているのかと、いろんな方に教えられてきた。山に限らず、海や島で医療を支える人がいるから農業や漁業を営むことができる。私たちは当たり前のように食事をすることができる。

 大都市や東京への一極集中は、住みづらく、子育てがしづらい環境を増やしている。都会から地方へ、流れをつくらなければならない。佐賀を輝かせようと、歯を食いしばって頑張る人に政治が寄り添わねばならない。どんな状況や立場でも豊かと感じられる社会をつくろう。佐賀、地方、日本全体のため、力を貸してほしい。(佐賀市の松原神社で)

■若さと将来性アピール

 【出陣式】佐賀のために汗をかいた6年の実績と若さを前面に打ち出した。佐賀市の松原神社境内で開かれた自民党の山下雄平候補(39)の出陣式には推薦団体や地方議員ら約1千人(陣営者発表)が集まり、組織力を見せつけた。県外出身の相手候補を意識し、「佐賀の将来に責任が持てる政治家は山下」と気勢を上げた。

 山下候補と同じ派閥の額賀福志郎衆院議員が駆け付け、「まだ39歳。皆さんに育てていただければ、幹事長、総理になれる」と候補の若さと資質をアピール。選挙協力をする公明党県本部の中本正一代表は「突然、佐賀に来て、選挙に勝つために共産党と手を組む候補には負けられない」と野党共闘を批判した。

 自民県連会長の留守茂幸選対本部長は県版政策集を作成したことに触れ、与党として県の抱える課題に対し「具体的に提案した」と胸を張り、得票数25万6千票を目標に掲げた。JA佐賀中央会の大島信之副会長も出席した。山下候補の出身地の唐津市でも出発式を開いた。

 

犬塚直史候補 国民民主・元

■「佐賀の視点で政治変える」

 【第一声】最も訴えたいのは平和の問題。(フランス人の)妻が隣にいるが、戦争をしたフランスとドイツはEUをつくり、永続的な平和を実現した。北東アジア非核兵器地帯条約を日本主導で提案して信頼を醸成し、平和を構築したい。そのために参院の任期を与えてほしい。

 中央ではなく佐賀の視点で政策を実現する。諫早湾干拓潮受け堤防を開門し、豊かな有明海を取り戻す。オスプレイが配備されれば軍民共用空港として制約され、九州の玄関口や物流拠点という中長期の展望が描けなくなる。新幹線はフリーゲージトレインの失敗を政府に総括させ、佐賀の視点で計画をつくるべきだ。

 原口一博、大串博志の両氏に佐賀に連れてきてもらった。野党が(衆院小選挙区を)独占しているただ一つの県。政治の原点を忘れた安倍政権の「強きを助け、弱きをくじく」という政治を佐賀からぶっ壊していこう。(佐賀市のホテルで)

■政権批判の受け皿強調

 【出陣式】「選挙後に年金カット法案が出てくるのは明らか」「アベノミクスは大企業のための政策」-。生活目線から舌(ぜっ)鋒(ぽう)鋭い問題提起が続いた。佐賀市のホテルで開かれた国民民主党の犬塚直史候補(64)の出陣式には支援者約250人(陣営発表)が集まり、「安倍政権は止められる」と声を合わせて必勝を誓った。

 擁立に奔走した選対本部長の原口一博衆院議員は「5野党・会派で一本化した素晴らしい候補者」と、犬塚候補が政権批判の受け皿であることをアピールした。選対本部相談役の大串博志衆院議員も「安倍総理が恐れるのは、この地方の声だ」と支持拡大を訴えた。

 犬塚氏を推薦する連合佐賀の井手雅彦会長、社民党県連の徳光清孝幹事長も登壇。会場には、候補の統一で仲介役を務めた市民連合さがや、党公認候補を取り下げた共産党関係者の姿もあり、共闘姿勢を印象づけた。

 犬塚候補は妻のエブリーヌさん(66)にたすきを掛けてもらうと、声援を受けながら車に乗り込み街演に向かった。

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