「政治は数だと知った」―。引退を表明した参院議長の伊達忠一氏が議員生活で印象に残ったことを聞かれて答えていた。「数」ばかりではないとは思うものの、国政選挙の結果が生み出した議席数が政権運営を左右する。それが政治の現実だと言いたかったのだろう◆第25回参院選が公示された。年金や少子高齢化、消費税などたくさんのテーマがある。一方で焦点となるのが、おとといの与野党の討論会でも挙げられた憲法論議。改憲発議に必要な3分の2の議席数に関心が集まる◆安倍政権側が、あれだけチラつかせていた衆参同日選を見送り、参院選の単独実施としたのも、悲願といわれる憲法改正に向け、衆院選での議席減というリスクを避けたためだといわれる。自民党の総裁任期は21年9月まで。首相が目指す改憲実現に残された時間は少ない◆参院は昨年の公職選挙法改正に基づいて定数が現行の242から245に3増となっており、前回まで「3分の2」は162議席だったが、今回は164議席。このうち非改選の改憲勢力が78議席というから、これを引いた86議席が改憲勢力の維持につながる◆佐賀選挙区は与野党の一騎打ち。日々の暮らしに追われる中で憲法論議というと実感が伴わないが、「数」を考えるとその選択は重い。将来を見据え大事な一票を行使したい。(丸)

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