ピースウオークへの参加を呼び掛ける山口さん。山口さんがアテネスパルタスロンで得たメダルをモチーフにした手製の焼き物のメダルも用意する=武雄市武内町の宸山窯 

 8月9日の長崎原爆の日に合わせ、武雄市を8日に出発して長崎市の爆心地まで85キロを歩く「武雄~長崎ピースウオーク」が今年で10回目を迎える。呼び掛け人の武雄市武内町の陶芸家山口忠俊さん(69)は、9年間に思いを巡らせながら「核兵器のない平和な世界を、長崎に集まる人たちと共に祈ろう」と参加を呼び掛ける。

 山口さんは1992年に広島-長崎マラソンを完走し、その後は同区間のリレーマラソンも長年走っていた。2010年に「武雄から核なき平和を祈ろう」とピースウオークを始めた。5人で始まったウオークは多い年には46人が参加し、9年間の総参加者は227人。半数以上は武雄市民で、福岡や長崎、東京などから来る人もいる。まだ全員が完歩できたことはない。

 完歩できずに涙する人や毎年差し入れを持って待っていてくれる人など、多くのドラマがあった。山口さんは中でも「8月8日は娘の誕生日。記念に一緒に歩きたい」と、11年から参加している武雄市内の母と小学生の娘と息子のことが印象に残る。

 「初参加の年は、遅れる女の子をみんなで待ち、誕生会を開いて祝った」と、ファミレスでの会を思い出し、「その年、親子は大村までで断念したけど、翌年は大村から参加して2年がかりで“完歩”した」とたたえた。さらに「3年目はあと10キロで母親があきらめかけたが、『千羽鶴は3人で届ける』と子の励ましを受けて見事に歩き抜いた」と、当時を思い出しながら声を詰まらせた。母と息子は今年も歩く。

 ウオーキングは8日午前7時に武雄温泉楼門を出発。嬉野―大村―諫早のルートを5キロごとの休息場所に集まりながら自分のペースで歩く。9日午前11時までに長崎市の原爆落下中心地公園にゴールし、11時2分に黙とうする。断念者は伴走車で長崎に向かう。参加費は3千円で定員は30人。

 山口さんは「公園には核廃絶を願う全国の人たちが集う。思いを分かち、語り合うと平和の尊さが実感できる」と参加を呼び掛ける。問い合わせは山口さん、電話0954(27)2753。

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