県立高校再編に伴い、鹿島・鹿島実・鹿島新の連合チームとして出場する鹿島。NHK杯では優勝を果たした=6月28日、鹿島市の鹿島高

 夏の甲子園出場を懸けた第101回全国高校野球選手権佐賀大会が6日、開幕する。県立高の再編統合の影響で、塩田工と杵島商の野球部員にとっては、長く親しまれてきた校名で挑む最後の大会となる。今秋から伊万里商・伊万里実業との連合チームになる伊万里農林も単独の学校名での出場はラスト。それぞれのチーム関係者は「OBなど支えてくれた人や地域に恩返しを」と意気込んでいる。

 少子化に伴う再編で、2018年4月から塩田工と嬉野、白石と杵島商、鹿島と鹿島実が統合し、今年4月には伊万里商と伊万里農林が統合。再編後の入学者はそれぞれ新生「嬉野」「白石」と「伊万里実」の生徒となっている。

 塩田工と嬉野は再編後から連合チーム「塩田工・嬉野」として活動してきた。昨年は、春の県大会で4強入りした塩田工の選手を主体にNHK杯でベスト4に入ったものの、夏の県大会は惜しくも初戦敗退。3年生の引退後、残る1、2年生全員が「嬉野」の選手となるため、連合チームは解消されて塩田工の名前がなくなる。大久保亘主将は「最後に名を残せるよう、勝ち進みたい」と力を込める。

 白石と杵島商はともに9人以上の部員がそろっており、今大会まで単独で出場する。ただ、杵島商の校舎に通う1、2年生の野球部員はすでに「白石」の一員となっており、杵島商野球部は3年生12人だけで“ラストマッチ”に挑む。真崎貴史監督は「学校の歴史やOBの思いを背負って、最後の夏を戦いぬく」と誓う。

 「OBや地域の人たちに恩返しできるよう、一戦一戦を大事に戦いたい」と話すのは伊万里農林の近藤大智主将。同校に最後に入学した2年生部員が4人しかいないため、野球部は今秋から伊万里商・伊万里実と活動を共にする。2009年に甲子園出場を果たした強豪・伊万里農林のユニホームが躍動するのは今大会限りとなる。

 一方、昨秋から鹿島と鹿島実、統合後の1、2年生の連合チームとして活動する「鹿島」は6月のNHK杯で頂点に立った。それまでのライバル校が一つになり、チーム力がアップ。平古場海斗主将は「最初は結果が出ず苦しんだが、もともと同じ地区の中学の集まり。すぐに溶け込み、今は自信を持ってプレーできている」。優勝候補の一角として挑む夏の大会に手応えを感じている。

 「最後の年に、みんなで校歌を球場に響かせる」-。少子化による生徒減少に伴う環境の変化と向き合ってきた選手たちは、学校の誇りと地域からの期待を力に変え、最後の夏に挑む。 

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