国営諫早湾干拓事業を巡る一連の訴訟で、最高裁の対応を批判する漁業者側の馬奈木昭雄団長(右)=福岡市

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡る訴訟で、開門を求める佐賀、長崎両県の漁業者による上告2件を最高裁が退ける決定をしたことを受け、漁業者側弁護団は2日、福岡市で会見を開いた。開門と非開門の相反する確定判決が並ぶ中、最高裁で26日に弁論が開かれる別の関連訴訟の見通しと和解の必要性を示した。

 弁護団によると、弁論が開かれるのは開門命令の確定判決を事実上無効にする訴訟。弁論では、争点となっている開門を命じた確定判決の効力について漁業者側と国の双方が意見を述べる。弁論後に判決期日が指定されるとみられ、判決では審理を福岡高裁に差し戻すほか、高裁の結論を維持して上告を棄却する可能性もある。差し戻し後に高裁で和解協議に入る展開も考えられるという。

 上告が退けられたことで、開門命令に加え、干拓地の営農者が求めた開門差し止めも確定判決となった。弁護団の堀良一事務局長は会見で「今こそ和解をしなければ、この分断が固定化されてしまう。確定したから開門阻止派がテーブルにつかないというのは本末転倒」と述べ、非開門のみを前提とせず、各当事者の利害を踏まえた和解の必要性を訴えた。

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