2020年春卒業予定の大学生や大学院生の採用面接が6月に解禁され、各社で面接が進められている。佐賀新聞社が県内主要企業60社に行った採用計画調査は「今春より採用を増やす」企業が36・7%、「今春並み」が51・7%で、それぞれ前年と同じ割合だった。二つを合計すると88・4%が今春並みか増やす考えで、前年に引き続き高い採用意欲を示した。

 

 調査は5、6月に製造業33社、非製造業27社に聞き取った。「今春より増やす」は22社、「今春並み」は31社、「今春より減らす」は3社(5・0%)だった。

 調査では、「採用内定を出しても、給料や待遇のいい大企業に取られ、思うように人数が集まらない」という声が多く聞かれた。慢性的な人手不足で就職活動は売り手市場となっており、県内企業も待遇のいい大手の内定を得た学生の内定辞退が相次ぎ、働き手の確保に苦労している。

 そんな中、佐賀銀行は採用活動専門の担当者を今年初めて配置。学生と視点が近い入行5年ほどの社員を選び、関東、関西地区の佐賀県出身の学生に働き掛けている。今春実績の10倍となる30人の積極採用を予定する佐賀共栄銀行は佐賀、福岡の会社説明会にこまめに出掛け、就職サイト上で同行に「興味がある」と意思を示した学生には、一人一人電話をかけて採用面接に加わるよう促した。

 最近の学生の傾向について、ある採用担当者(建設業)は「働き方改革で、関心は初任給以上に『福利厚生』に向いている」と感じている。土日も仕事がある飲食店は敬遠される傾向にあり、あるサービス業は「数人採用したいが全く取れない年もある。説明会を開いてもブースに人も来ない」と困惑を隠せない。

 そうした学生の傾向を感じ取り、休日も休めない会社と思われないよう、各社は神経をとがらせる。「学生が佐賀に帰省すると聞いても、5月の連休中に会う約束は控えた」(建設業)、「土日に人事担当に電話がかかってきても、あえて取らない」(金融業)という声もあるなど、心理戦の様相を呈している。

 働き手確保のため、各社は給与の引き上げなど、さまざまな手を打っている。佐賀LIXIL製作所は昨年から中途採用に力を入れて人材を確保。非正規社員の正規雇用への登用も行い、人材の定着を図っているという。

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