西日本豪雨で避難所になった公民館。災害への備えや早めの避難が求められている=2018年7月、佐賀市

 昨年7月の西日本豪雨を受けて、住民避難の重要性が高まっている。西日本豪雨時、佐賀県内では約23万人に避難指示が出されていたが、避難所に避難した人は3100人程度にとどまった。市民からは「何を持って行けばいいのか分からない」などの声があり、二の足を踏む人も少なくない。避難所利用で必要なものや避難所での過ごし方などを関係者に聞いた。

 避難所の利用には、非常品を入れた持ち出し袋があれば便利だ。地域防災リーダーの防災士でつくる県防災士会の小林紀事務局長(佐賀市)は「荷物が重いと避難所まで持っていくのにも限度がある。本当に必要な物をそろえておくのが大事」と説明する。

 飲料水は「1人1日3リットルが目安」と例示して非常品のリストに挙がるケースが多いが、「大量の水を持っての移動は現実的でない。避難所などにも備蓄しているので、最低限として薬を飲むのに必要な500ミリリットルを用意するべき」と指摘する。懐中電灯やラジオ、スマートフォンの充電器などは必要度が高いという。

 タオルは多量に用意することを勧め、「ガーゼ素材のバスタオルは折りたたんで枕にするなどいろんな用途がある」と指摘する。体を拭くこともできるウェットティッシュや水なしで洗髪できるドライシャンプーも重宝するという。「人に借りられないような物は用意するべき」と指摘し、常用薬や乳幼児には普段食べる物も必要になる。

 避難所はどの段階で開設されるのか。佐賀市では、大雨で河川の水位が上昇するなど災害の恐れが生じた場合、小学校区の公民館を中心に1次避難所を開設する。備蓄品にはお湯や水を注ぐと食べられるアルファ米やビスケット菓子のビスコ、水、毛布などがある。

 道路の浸水被害で車が使えなかったり、避難所の駐車場が空いていなかったりする場合があり、徒歩での避難も想定しておく必要がある。避難所では住所や氏名、人数を記入して避難者の登録をする。住んでいる校区と別の公民館の避難所も利用できる。体を楽にできる和室の広い部屋などを用意し、避難者は災害の状況を見ながらいつでも帰宅して構わない。

 自治体は大雨災害時の浸水範囲や程度を地図上に落とした「ハザードマップ」を作成している。佐賀市消防防災課は「自宅がどのくらい浸水するかなどの災害リスクや避難所の場所、避難ルートなどを普段から確認してほしい」と促す。

 大雨の時には水路が氾濫して道路との区別が付かなくなる場合もあり、建物の2階以上に逃げる「垂直避難」も選択肢になる。市消防防災課は「自分の命を守るために河川の水位などの災害情報や気象状況に応じて避難するかどうかを判断し、早めの行動が重要になる」と話す。

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