浜野浦の棚田を背景に記念写真を撮る大久保中の生徒ら=玄海町

大久保中の生徒に釣りを教える岩下敏さん(左)=玄海町の仮屋漁港

兵庫県の大久保中の生徒たちを迎え、歓迎の幕を掲げる民泊受け入れ家庭=玄海町民会館

 中高の修学旅行生を一般家庭で受け入れる民泊が、玄海町で始まり、11年目になる。現在は唐津市にも広がり、本年度は過去最高の約6800人の宿泊予定がある。学校の民泊需要は高まっている一方、受け入れ家庭の確保が課題で、関係者は広く参加を呼び掛けている。

 「こんにちは、よろしくお願いします」。兵庫県明石市の大久保中3年生343人が6月10日、玄海町民会館で受け入れ家庭と対面した。同町の岩下敏さん(67)とマチ子さん(63)夫妻は、女子生徒5人を迎えた。家の前に広がる仮屋湾で釣りを教え、浜野浦の棚田を案内した。

 「釣りは初めて」「こんな景色見たことない」と生徒たち。同中の相樂(さがら)栞さん(14)は「海も棚田も想像以上にきれいだった。岩下さんも優しくて本当に楽しかった」と笑顔で話した。岩下さん夫婦も「子どもたちが喜ぶのが何よりうれしい」と笑った。

 民泊は2008年、地域の魅力を子どもたちに知ってもらおうと同町と唐津市七山で始まった。地方で農業漁業体験などができると人気で、実施するNPO法人「唐津・玄海観光交流社」によると、18年度には4300人の中高生が訪ねた。地域への経済効果は年間約6千万円という。

 民泊需要が高まる一方、受け入れ家庭の確保は課題だ。家庭数は市町合わせて約150世帯あるが、実際に活動しているのは5割にとどまる。他人の子どもを預かることや料理の準備を理由に参加をためらう家庭は少なくない。

 同交流社の担当者は「受け入れ家庭の中には、子どもたちと手紙のやりとりを続ける人もおり、交流が生まれている。ぜひ参加して」と呼び掛ける。岩下さん夫婦も「子どもたちが町を好きになってくれれば、地域のプラスになる。子どもとの触れ合いも楽しい」と笑顔で話す。

 民泊受け入れ家庭についての問い合わせは同交流社、電話、0955(82)2811。

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