鳥栖-清水 前半16分、鳥栖FWトーレスがヘディングシュートを決め、2-1とする=鳥栖市の駅前不動産スタジアム

 引退撤回を期待してしまうような、圧巻の活躍だった。21日に現役引退を表明したサガン鳥栖のFWトーレスが7試合ぶりの先発出場で今季初得点を含む2ゴール。チームを勝利に導いた殊勲の35歳は「自分にとって残りわずかな試合の中で、こういう結果を得られて本当にうれしい」と喜びを隠さなかった。

 今季ここまでノーゴールだったのがうそのように、わずか4分間で2ゴールを奪った。いずれも相手選手に体をぶつけられながら当たり負けせず、頭でたたき込んだ。

 日々の練習で作り上げた強靱(きょうじん)な肉体のたまものだ。「試合に出られない時期もあったが、常に準備は続けてきた」とトーレス。DF高橋秀も「フェルナンド(トーレス)の努力を神様が見ていた」と喜ぶなど、ゴールの瞬間には選手や通訳らが一目散に駆け寄って喜びを分かち合った。

 トーレスの現役最後の試合は8月23日のヴィッセル神戸戦に決まっている。2ゴールの活躍で引退を惜しむ声も多くなるだろうが、ストイックな元スペイン代表FWは「自分自身がまだできるという感覚のままで去りたい」ときっぱり。残りの限られた時間を見据え、「終わったときに素晴らしい瞬間だったと思い返したい。ポイント(勝ち点)をできるだけ積み重ねて最後を迎えたい」と意気込む。

 引退まで残り7戦。世界的スーパースターの真骨頂を発揮したゴールに、もっと酔いしれたい。

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