さが総文で主会場の一つとなる佐賀市文化会館。総合開会式、吹奏楽部門、器楽・管弦楽部門の三つを日にちをずらして開く=佐賀市日の出

 全国から約2万人の高校生が集う全国総文祭「さが総文」。昨年の長野県は長野オリンピックなどで会場となった箱物が潤沢だったが、佐賀県は広いホールや体育館が少なく、会場確保は困難を極めた。そのため佐賀市文化会館で総合開会式、吹奏楽部門、器楽・管弦楽部門の三つを日にちをずらして開くなど、複数の部門が一つの会場を使う例もある。長野県が4日間だったのに対し、佐賀は6日間での開催となる。

 7月29日に県総合体育館で開かれるマーチング・バトントワリング部門もその一つ。翌30日から8月1日までは、同じ会場で小倉百人一首かるた部門が開かれる。部門を運営する代表委員を務める佐賀商業高の鬼崎博史教諭(48)は「総文祭のメインは交流。場所がないので、昨年のような交流会も開けない」と悔しさをにじませる。

 同部門に出場するのは全49チーム約1800人で、マーチングの演技時間は約10分、バトントワリングは約5分。出場者を滞在させる場所もなく、各チームが会場にいられるのは約1時間半の予定だ。「他チームの演技を観賞してもらうなど、全国のチームが集まる楽しさを体感してもらうことができなくて申し訳ない」と鬼崎教諭は話す。

 県では2023年、国民スポーツ大会の開催も控える。体育館の東側にはフェンシングやボクシングの競技場を建設しているため、重量楽器も多い中、駐車場は隣の市文化会館西側駐車場を使うことが決まった。

 雨天にも備えて100張り以上のテントが立てられるが、出場チームは楽器を抱え、体育館まで数百メートルの距離を歩くことになる。

 長野県では、部門の運営を担当する教諭が約20人いた。しかし、学校数も少ない佐賀は3人しかいない。3年の学年主任を務め、授業もしながら準備にあたる鬼崎教諭は「現場はてんてこ舞い。とにかくどこも人が足りない」と汗をかく。

 2007年の佐賀総体では各市町にも事務局があったが、さが総文では高校の教職員が運営実務にあたるため、教職員に負担がのしかかる。県は業務の負担を減らそうと各校に非常勤講師を雇う予算を付けたが、講師を雇えず負担を減らすのに苦心している学校もある。

 「とにかく、一人一人が意識を持ってできる限りのおもてなしに努めるしかない。一人でも多くの生徒が『佐賀に来て楽しかった』という思い出を持ち帰ってくれたら、私たちも浮かばれる」。そう話す鬼崎教諭の元に、各校の吹奏楽部のOB、OGら30人が後輩のサポートのため集ってくれることになったのは、心強い知らせだ。本番まであと1カ月。運営側も、全力で走り続けている。

このエントリーをはてなブックマークに追加