国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り開門を求める佐賀、長崎両県の漁業者が上告していた訴訟2件を最高裁が退ける決定をしたことに対し、漁業者側弁護団は28日、「不当決定に心からの憤りを禁じ得ない」と批判する声明を出した。最高裁で7月26日に弁論が行われる開門関連訴訟や、開門を命じた確定判決に関し、「今回の決定が何ら左右するものではない」として影響は及ばない認識を示した。

 今回の決定で漁業者が求めた開門命令と、干拓地の営農者らが訴えた開門差し止めの双方が確定判決になったことを受け、弁護団は「開門を巡る紛争の解決のための和解協議がますます必要になった」と指摘した。開門せずに基金創設によって解決を図る国の和解案を拒否する考えを明確にし、「国は長年にわたって地域を分断し、対立をあおってきた責任を踏まえ、真の和解を受け入れるべき」と求めた。

 弁護団の馬奈木昭雄団長は「国はそもそも開門を履行するつもりがなく、決定によって事態が変わったわけではない。裁判所の判断は問題解決につなげるのではなく、混乱させている。被害が続く限り、われわれが黙るつもりはない」と強調した。

このエントリーをはてなブックマークに追加