講演する井沢元彦さん=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 累計500万部を突破したシリーズ「逆説の日本史」で知られる歴史作家の井沢元彦さんが27日、佐賀市のホテルニューオータニ佐賀で講演した。思想が日本の歴史に影響を与えた事例を示して背景をひもといた。

 中小企業佐賀懇話会が主催し、経営者ら約70人が出席した。井沢さんは「歴史は背景にある思想や宗教を理解して学ぶべき」として、徳川家康が奨励した朱子学(儒教)を紹介。ロシア帝国皇太子を切りつけた大津事件(1891年)などが起こった理由を「朱子学を背景に、新しい考えを取り入れない風潮があった」と解説した。

 家康は武士の反乱を防ごうと、忠義を大切にする朱子学を普及させた。しかし結果的には天皇家に忠義を尽くす倒幕運動を朱子学の思想が正当化したとして「皮肉な結果。人間は神様じゃない、だから歴史は面白い」と語った。

 参加した半導体装置を扱う企業「メック」(佐賀市)の中島和宣社長(38)は「会社も、働く人たちの姿勢や価値観を知って経営方針を決めないと、永続的な発展は望めないのではないかと感じた」と話していた。講演会の後は懇親会があり、山口祥義知事も出席し、経営者らと親交を深めた。

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