橋本康志市長に対する辞職勧告決議案を賛成多数で可決した鳥栖市議会=本会議場

 鳥栖市上下水道局の工事架空発注などの不祥事が相次ぎ、市政への信頼を失墜させたとして、市議会の3会派が提出していた橋本康志市長に対する辞職勧告決議案は27日の市議会本会議で採決され、賛成14人、反対6人の賛成多数で可決した。ただ、不信任決議と同じ効力になる4分の3(16人)以上の賛成には届かなかったため、橋本市長は続投する意向を報道陣に示した。市長の給料を減額する条例改正案は賛成少数で否決された。

 決議は、自民党鳥和会の森山林代表が提出者を代表して趣旨説明をした。2016年7月の市学校給食センターの災害復旧工事を巡る不適切な対応以降、農地法違反、今回の架空発注と不祥事が続いていることを挙げて「市への市民の信頼を失墜させた市長の責任は甚大であり、統治者としての能力に欠ける」と辞職を求めた。

 採決では自民9人、公明2人、共産2人、基(もと)の会1人の14人が賛成して過半数となり、可決した。新風クラブ、社会民主・小さな声の会各3人の6人は反対した。鳥栖市で市長への辞職勧告決議案が可決されたのは初めて。

 16人以上が賛成した場合、橋本市長は「辞職するか、議会を解散するかを判断することになる」と述べていたが、達しなかったため、閉会後、報道陣に「ご指摘の点を重く受け止めて猛省しつつ、今後とも精進してまいりたい」と続投する考えを述べた。

 これを受けて森山議員は「反省の色が見られず議会を軽視しているとしか思えない。是々非々で各会派と話し合いながら対応していきたい」と対決姿勢を続ける方針を示した。

 架空発注の責任を取るとして、橋本市長の給料を30%、3カ月間減額するとした条例改正案は「減給ではなく、お引き取り願うしかない」などの反対意見が出て、賛成少数で否決された。

 

不信任決議と辞職勧告決議】不信任決議は地方自治法178条により、議員数の3分の2以上が出席した地方自治体の議会で、4分の3以上の同意で可決されれば成立する。首長は決議を受け、10日以内に議会を解散することができ、解散しなければ10日を経過した時点で失職する。辞職勧告決議は法的拘束力がないとされるが、不信任同様に4分の3以上の同意で可決され、決議に不信任に相当する表現が含まれ、首長が不信任と受け止めた場合は、不信任決議と同義とする見解が1958年の青森地裁判決にある。

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