多文化共生の観点から外国人への防災の在り方の講演を聴く温泉旅館関係者=嬉野市文化センター

 昨年7月の西日本豪雨を教訓に、佐賀県と唐津市、嬉野市は、県内在住の外国人や海外からの訪問客(インバウンド)への災害対応策を検討する事業に取り組む。災害や避難に関する情報が伝わりにくい外国人への情報伝達のあり方などを考える。27日には嬉野市で初回の講演があり、ダイバーシティ研究所の田村太郞代表理事が早急な仕組みづくりの必要性を強調した。

 事業は、佐賀県国際課が嬉野市と唐津市を連携を取りながら、セミナーやワークショップを1年を通し開催し、外国人の防災対応のモデルを構築していく。

 嬉野市では、観光に訪れた外国人客の防災対策を中心に論議を深めようと、27日の講演には温泉旅館関係者約50人が参加。田村代表理事は「日本で頻繁に起きる地震や水害に対する避難訓練などは、多くの外国人が母国で経験していない」と強調。「日本での災害情報は訓練を経験済みとの想定で発令するため、外国人には全く意味が分からず、対応が遅れてしまう」と、早急な対策を訴えた。

 昨年の豪雨で床上浸水の被害に遭った同市の和多屋別荘の増田秀之支配人は「年間1万人を超える外国人宿泊を受け入れるだけに、情報の伝え方を工夫しないといけない」と引き締めていた。

 唐津市は、地域在住の外国人を災害からどう守り、住民との連携を図るかを探っていく。田村代表理事を迎え、28日に唐津市内の施設で、職員を対象とした講義を開き、事業を本格的にスタートさせる。

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