内田天満宮の大絵馬3枚を復元した大串亮平さん(右から2人目)と地元の人たち=武雄市の内田区公民館

西南戦争をテーマとした原画。経年劣化で消えかかっていた

 佐賀市の日本画家・大串亮平さん(42)が、武雄市東川登町の内田天満宮に掲げられていた大絵馬3枚を復元した。経年劣化で原画が消える寸前だったが、かすかに残っていた線などを頼りに3年かけて再現。地域住民に親しまれてきた宝が色鮮やかによみがえった。

 大絵馬は西南戦争(1877年)や、太宰府天満宮と思われる神社、夫婦岩(場所は不明)をテーマにした3枚で、境内の「絵馬堂」に掲げられていた。地域の祭りなどでステージとしても使われる絵馬堂には窓ガラスなどがなく、絵馬は風雨にさらされ、原画は消えかかった状態だった。

 内田地区に住む小山路窯の陶芸家・江口康成さん(51)と京都精華大学の同窓生という縁で、大串さんが復元を担当することに。これまで寺院の天井画などを描いたことはあったが、原画の復元は初めてだった大串さん。線がかすかに残っている所に光を当て、描き起こしながらパソコンで画像処理し、全体像をイメージした。

 さらに、関連資料を調べながら西郷隆盛が戦うシーンなどを細かに再現。大串さんは「絵の線なのか、木目なのか分からない部分があり、模写には苦労した。建物や人物に遠近感が反映されていない所もあったけれど、あくまで原画に忠実に描いた。リアルさよりも状況が一目で分かることを心掛けた」。くっきりとした輪郭線、鮮やかな色合いの絵馬に仕上がった。

 新しい大絵馬は劣化を防ぐため、今年2月に落成した同地区の公民館に掲示されることになり、地区住民に披露された。原邦和区長(78)は「住民からは長年、復元を望む声が上がっていた。地元の宝としてずっと残していきたい」と喜ぶ。同神社では2015年、有田工高の生徒たちが天井絵を復元している。

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