担い「手」プロジェクトの取材で、タイの養殖場を訪れた唐津東高3年の野林映里さん(左)と有尾緒美さん=東松浦郡玄海町仮屋

 全国から文化部の活動に情熱を注いでいる約2万人の高校生が集い、観覧者を含めると約12万人の来県が見込まれる「さが総文」。佐賀をアピールする絶好機でもあり、運営の中心メンバーとなる生徒実行委員会の約80人はいま、歓迎準備を急ピッチで進めている。

 「佐賀の魅力をつないできたのは、人の手や思いだと伝えたかった。プロジェクトをやらないという選択肢はなかった」。佐賀北高3年の山下敦子さんは、実行委で企画した担い「手」プロジェクトのアイデアの原点についてこう語る。

 佐賀牛、佐賀のり、嬉野茶、有田焼…。佐賀には全国に誇れる農漁業やものづくりの伝統がある。プロジェクトは、その担い手を生徒自身の目線で取材し、魅力を伝えようというもの。メンバーたちは2~4月、県内全域を駆け回って約40人を取材した。

 唐津東高3年の有尾緒美さんは玄海町のタイの養殖場や牧場などを訪問。「これまで海のイメージしかなかったけど、水産や酪農などが盛んで食の原点だと感じた」と話し、ふるさとのよさを見つめ直すきっかけにもなった。

 現在は映像の編集やパネル制作を進行中。総合開会式や部門の会場で来場者に披露する。動画投稿サイト・ユーチューブでの公開も予定している。山下さんは「見た人が佐賀の良さを周りの人たちに伝えてくれたら」と期待を寄せる。

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 さが総文では演劇、吹奏楽、文芸など23部門の大会やフィールドワークが県内全域であり、各部門の生徒たちも「おもてなし」のアイデアを絞っている。

 唐津市が現地研修の場となる郷土研究部門では、虹の松原を研究する唐津南高虹ノ松原プロジェクトチームの3人が、全国から集う仲間に向けたお土産の開発に取り組んだ。大会の記憶とともに「印象に残るものを」と、松葉パウダー入りのキャラメルやわらび餅など試作を重ねた。

 たどり着いたのは、いまは製造されていない幻の菓子「松のみどり」を再現すること。松のみどりは砂糖のシロップをかけた薄緑のかりんとうだ。3人は松葉パウダー入りのかりんとうを作り、唐津へフィールドワークに来た生徒に配る予定。

 開発した2年の中川和香さんは「松葉で作ったお菓子が全国の高校生に広がり、話のネタにしてもらえるとうれしい」と話す。

 このほか、県内五つの農業系高校はマリーゴールドとケイトウのプランター約600個で会場を彩る。美術・工芸部門の生徒たちは47都道府県の食や名所を描いた“ウエルカム看板”を会場前に並べ、もてなしの心を伝える。

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 第43回全国高校総合文化祭(2019さが総文)の7月27日の開幕まであと1カ月。準備に奔走している高校生や担当教諭、サポーターらの今を追った。

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