25周年を迎え、落ち着いたたたずまいを見せる茶苑海月

 県立名護屋城博物館開館半年後の1994年4月、茶苑(ちゃえん)海月は開苑しました。名護屋城の歴史を背景にした茶室は城跡の自然と調和して訪れる人を和ませます。オープン記念茶会展では、国宝喜左衛門井戸茶碗をはじめとする茶道具名品展や茶会が開かれ、多くの来場者でにぎわいました。

 令和が幕開けした今年、海月も25周年の節目を迎えました。最近はオルレの途中で立ち寄る人も増えました。地元の子が成人式の晴れ着で来てくれたりすると時の流れを実感します。時代や人が変わっても、城内の雰囲気は昔のままです。

 私は時々、海月の裏手から搦手口、弾正丸、馬場、本丸と歩きますが、道々の石垣には何とも言えない風情があります。400年の歴史の重みでしょうか。地元の人には身近な場所ですが、実はとても貴重な歴史遺産である名護屋城のことをもっと多くの人に知ってほしい、四季折々の表情を見て感じてもらいたいと、いつも思いながら歩きます。

 そこで25周年特別企画「秀吉をとりこにした茶と能」と題したシンポジウムを7月7日に開催します。能楽師の林本大さん、陶芸家の井上公之さん、名護屋城博物館学芸員の武谷和彦さんの3人にそれぞれの立場から秀吉と能、茶の湯について語っていただきます。

 ぜひお出掛けください。そして現代の私たちが想像もできないような権力者がここにいたということに思いをはせながら、一服のひとときを過ごしてください。(名護屋城茶苑海月・矢筒典子)

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