災害不明者・死者の氏名公表についての回答割合

 災害による安否不明者の氏名を公表するかどうかを巡り、都道府県知事47人のうち3人が「公表する」と回答、「条件が整えば公表する」と答えた25人と合わせると、6割が前向きな姿勢を示したことが25日、全知事を対象とした共同通信のアンケートで分かった。

 昨年7月の西日本豪雨では不明者の氏名公表について岡山、広島、愛媛各県の対応が分かれた。岡山県は氏名を明らかにしたことで情報が集まり、捜索範囲の絞り込みにつながった。アンケートでは39人の知事が可否を判断する点として「捜索の効率化や人命救助に必要か」を指摘。捜索に役立つとの認識が共有されており、今後は公表が進む可能性がある。

 一方で、ほとんどの知事が「公表の統一基準を国が作ってほしい」と要望。自治体に判断を委ねてきた国に対し、対応を求める声が目立った。宮崎県などは独自の公表基準を策定したことを明らかにした。

 アンケートは5~6月に実施。災害時の氏名公表について安否不明者と死者を分け、対面取材や文書で47都道府県知事から回答を得た。

 安否不明者の氏名に関するほかの回答は「公表しない」が1人。「その他」を選んだのは18人で「ケース・バイ・ケースで判断」「その都度検討」などと答えた。

 判断で最重要視する点を複数回答で尋ねたところ、捜索上の必要性が最多。次いで「家族らの同意があるか」27人、「プライバシーの保護」と「個人情報保護条例や法との兼ね合い」が、ともに24人だった。死者については「公表する」が4人で「条件が整えば公表する」が23人。「公表の必要はないと考えるが、検討はする」は2人、「公表しない」も1人いた。最重要視する点は「家族らの同意があるか」が最多の35人、「プライバシーの保護」が22人、「個人情報保護条例や法との兼ね合い」が18人と続いた。

 佐賀県の山口祥義知事は、安否不明者や死者の氏名について「条件が整えば公表する」と回答し、判断の際は捜索の効率化や人命救助の必要性を最重要視する点として挙げている。また、「広域災害の発生も考えると、国が統一的な基準を定めることが必要」との見解を示している。

 全国知事会は富山市で7月に開く会議で、氏名公表の全国統一基準を策定するよう国に求めることを決める方針だ。【共同】

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