映画「天山の如く」の最終2幕の撮影。中林梧竹が郷里に建てた観音堂で行われた=小城市三日月町

最後の撮影を終え、記念写真に収まる出演者やスタッフ=小城市三日月町の中林家

 小城市小城町を舞台にした歴史映画「天山の如(ごと)く~その男、正直なり」の撮影が23日、終了した。激動の幕末維新期を生きた郷土の偉人を題材に、市民が製作している映画で、今後は10月下旬の上映に向けて編集作業が本格化する。

 「明治の書聖」と呼ばれる小城出身の書家中林梧竹と、現在の小城町で少年期を過ごし、初代司法卿になった江藤新平が主人公。最後の撮影は、梧竹が郷里に建てた観音堂(小城市三日月町)で行われ、後半生を筆に託した梧竹が87歳で生涯を閉じるクライマックスシーンなど最終2幕をカメラに収めた。

 映画は、主人公の2人が自らの心に向き合い、正直に生きた姿勢を通して現代への教訓を伝える。オーディションで梧竹役に選ばれた伊東泰浩さん(33)=小城町=は「一生に一度あるかないかの経験をさせてもらった」と感慨深げ。「稽古も撮影も本当に楽しかった。充実感と共に、ついに終わったという寂しさがこみ上げてくる」と話した。

 2月に雪の天山で撮影を始めて4カ月。伊東さんら出演者や監督の田中正照さん(65)=牛津町=の熱意にひかれ、約30人の市民が衣装、大道具、音声、照明、演技指導で後方支援した。行政の補助は受けず、市民や地元企業から寄せられた協賛金を製作費に充てた。

 この日も大勢のスタッフ、市民が撮影を見守った。「撮影した映像全てに皆さんの熱い思いが詰まっている。きっといい内容に仕上がる」と田中監督。全17幕を80分程度にまとめ、10月27日に小城市のゆめぷらっと小城で上映する。

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