Q うちで飼っている犬を乗せたまま車を運転している途中で、交通事故に遭ってしまいました。犬はそのまま死んでしまい、家族を失ったようで、とても悲しい思いをしています。加害者に対してどのような請求ができますか。

 A 2017年度の調査で、犬や猫だけでも、犬892万頭、猫952万6000頭が飼われており、ペットはますます身近なものになっています。

 しかし、(明治時代に制定された)民法上、動物は「物」として扱われているため、交通事故でペットが死んだとしても、加害者に対しては基本的に、ペットの購入費用しか請求できません。また、ペットは「家族の一員」という考え方から、裁判において、ペットが死んだ慰謝料請求が認められることがありますが、その場合でも、認められる額は、事案にもよりますが、数万円から十数万円程度と低額です。

 仮に、交通事故で後遺症が残るなど、ペットに高額の治療費がかかったとしても、その全額を請求をすることは難しく、ペットの購入価格を基準とした、低額の治療費の請求しか認められないでしょう。

 ここで重要なのが、ペットを車に乗せるとき、かごに入れたうえでシートベルトを着用して固定したり、シートベルトが着用できる専用のハーネスをつけたりするなど、事故に遭ったときに、ペットにけがをさせないような配慮が飼い主に求められるということです。ペットにけがをさせないという点のみならず、裁判例のなかにも、ペットにシートベルトを着けなかったことが、飼い主の過失として認定され、損害を減額する理由として挙げられているものもあります。

 ペットは大切な家族です。また、交通事故は、いつでも、だれでも遭ってしまう可能性があります。大切な家族を危険にさらさないためにも、ペットを車に乗せるときには、ペットの危険を減らすために、きちんとした配慮をお願いします。(小城市 弁護士 角﨑龍介)

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