九州新幹線長崎ルートの整備方式見直しを巡り、意見が交わされたシンポジウム=佐賀市のアバンセ

 九州新幹線長崎ルートの未着工区間を巡り、佐賀県内の市町議員有志が22日、全線フル規格での整備に向けたシンポジウムを佐賀市で開いた。フル規格によってまちづくりや交流人口の拡大、観光振興のチャンスが広がるとし、「次の世代のため、前向きに議論しよう」と機運を高めた。

 与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)メンバーの今村雅弘衆院議員(比例九州、鹿島市)が講演した。国土交通省が佐賀県に示した仮定を置いた試算を基に、全線フルで整備した場合でも「県負担は事業費の1割以下」と述べた。財政負担などから全線フルに反対する県の姿勢に対し「正確な情報で議論すべき」と訴えた。

 第2部のパネルディスカッションで、与党PTメンバーの古川康衆院議員(比例九州、唐津市)は、新大阪駅が将来、リニアや北陸新幹線の結節点に生まれ変わり、長崎ルートも乗り入れることで「佐賀の可能性が広がる」と強調した。災害への強さからみても、ミニ新幹線ではなく、フル規格が望ましいとした。

 野村総合研究所主任研究員の片桐悠貴氏はフル規格ならば博多-佐賀間が20分で結ばれることから「就職や進学で博多に出て行った人が生まれ育った地域の近くにとどまる新しいライフスタイルができる」と述べ、ほぼ同じ時間で結ばれた久留米市では駅周辺の開発が進んだとした。

 シンポは「県フル規格促進議員の会」が初めて企画した。会長の平原嘉徳佐賀市議は「県民に反対の声が多いのは正確な情報を提供していないから」として啓発に力を入れていく考えを示した。会場は満席で、武雄、嬉野の両市長や自民会派の佐賀県議、長崎県議らが参加した。

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