「音や雰囲気を観察しながら、その人の自然体を撮りたい」と話す佐賀工高定時制4年の村山遼さん=佐賀市の同校

 佐賀工高定時制4年の村山遼(りょう)さん(20)=佐賀市=が県総文祭に出品し、準特選に輝いたのは、おばちゃんの温かな笑い声が聞こえてきそうな一枚。村山さんは「言葉や雰囲気を感じながら、その人の自然体を撮りたい」と話す。

 村山さんが意識するのは構図と表情の良さ。「笑門来福」と題したこの作品は、500枚ほどの中から厳選した。鹿児島の酒屋で撮影をお願いし、何気ない会話をしつつ、垣間見えた表情を捉えた。

 人見知りな性格で、初対面の人と接するのは苦手という。それでも、「優しいかな」「積極的な人だったらいいな」と思いながら勇気を出して声を掛ける。撮影を重ねるうちに「少しは慣れてきた」とほほ笑む。

 長崎県雲仙市出身。中学時代は県選抜メンバーに声が掛かるほどサッカーに熱中。ただ、低血圧症で学校に行けなくなる日が続き、部活動への悔いが残った。佐賀の高校に来て心機一転し、「新しいことに、とことん向き合おう。違う自分を出せる機会」と写真へのチャレンジを始めた。

 初めて県総文祭に出品したのは、カラフルな服に身を包む妹たちを撮影した作品だった。そのほかの作品でも、トウモロコシを頬張る姿など、目いっぱいの笑顔や日常の自然な表情が光る。作品展のことなど意識せず、妹たちを撮影する時が「一番楽しい」と語る。

 全国大会に出場した昨年は、「いい作品って、何だろう?」という葛藤もあった。ただ、海外で撮影された壮大な作品をSNSで見て、「いい写真を見たら燃えてきた。海外の作品はわくわくするし、日本の良さが出る写真も撮りたい」と奮起している。

 全国総文祭について「作品の迫力が全然違う。住んでいても知らない場所もあるので、佐賀での撮影を楽しみたい」と思いを膨らませる。

 

 メモ 各都道府県の代表作品309点を一堂に披露する写真展が7月27日~31日、嬉野市中央体育館U-Spoで開かれる。最優秀賞3点、優秀賞7点などを選出。県内の生徒作品展も同時開催される。28日は写真家の斎藤勝則さん、若子jetさんを招いた講演会が嬉野市体育館で開かれる(一般も聴講可)。全国から集まった生徒は撮影会で交流し、吉野ケ里歴史公園や太良町、有田町などを巡って佐賀の風景を活写する。

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