所在地や管理地となる土地を追加指定するよう答申があった国の天然記念物「有田のイチョウ」=2016年、西松浦郡有田町泉山

 国の文化審議会は21日、弘法大師空海が修復工事に関わった国内最大級のため池「満濃池」(香川県まんのう町)など3件を新たに名勝に指定し、保護するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。戦国大名・真田氏ゆかりの岩櫃城跡(いわびつじょうあと)(群馬県東吾妻町)など8件を史跡にすることも求めた。年内にも答申通り告示される。

 満濃池は8世紀初めの築造とされる。讃岐山脈を背景に広大な水面をたたえ、北岸は緩やかな曲線、南岸は入り組んだ峡谷を刻むなど、古くから景勝地として知られる。田植えシーズンに水門を開放する「ゆる抜き」は初夏の風物詩だ。

 岩櫃山の中腹に築かれた岩櫃城は、真田氏の拠点の一つ。堀や土塁を大規模に配置した防御性の高い構造で、上杉氏ら有力大名との攻防の舞台となった。保存状態も良く、江戸時代初期の廃城時の様子をとどめている。

 文化審議会はこのほか、耶馬渓の景観を生かした「平田氏庭園」(大分県中津市)など3件を登録記念物に、防風林による緑豊かな住環境が特徴の「今帰仁村今泊のフクギ屋敷林と集落景観」(沖縄県今帰仁村)を重要文化的景観とすることも求めた。

 佐賀県内では、西松浦郡有田町にある国の天然記念物「有田のイチョウ」について、所在地などの追加指定を答申した。【共同】

■保全に必要な土地

 文化審議会が21日、所在地などを追加指定するように答申した国の天然記念物「有田のイチョウ」(西松浦郡有田町)は高さ30・5メートル、推定樹齢は1千年を超えるとされ、単幹のイチョウでは日本最大級の巨樹・老木として知られている。

 追加で指定されるのは保全に必要な土地2筆で、石枠で木を囲んでいる地元の泉山地区所有の72平方メートルと、管理地として民家の所有者から町が購入する予定の216平方メートルの計288平方メートル。

 1926(大正15)年に、株だけが国の天然記念物に指定された。現在は保護のため所在地などと併せて指定されるのが一般的で、今年1月に町が文化庁に追加指定を求めていた。

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