児童文学作家の戸森しるこさん(右)の講演を聴く唐津西高の生徒たち=唐津市の唐津西高

 児童文学作家の戸森しるこさん(34)の講演が17日、唐津市の唐津西高であった。「夢の途中で考えること」をテーマに、病を患いながらも作家を目指した過去を振り返った。

 戸森さんは東京都に住み、教育関係の企業で会社員として働きながら、作家として活動している。仕事に影響を出さないよう、素顔は公表していない。2015年に「ぼくたちのリアル」で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビューした。

 デビュー作の執筆中には、胸に葉状の腫瘍ができる病気が分かり、同じ病の患者とネット上で交流した思い出を語った。「経験は登場人物が死への恐れを語る場面に生きている」と説明。「児童文学に大事なのは少数派の声に耳を傾けること。自分の作品が誰かに寄り添えたらうれしい」と話した。

 全校生徒約500人が聴いた。2年の脇山はるかさんは「何気ない日常が将来を決めるきっかけになるという話を聞き、一日を大切に過ごしたいと思った。戸森さんの本も読んでみたい」と話した。

 講演は、同校前身の唐津高等女学校の生徒で、1931年に松浦川で溺れていた小学生2人を助けて亡くなった中尾ハナさんを顕彰するフェアの一環で開かれた。

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