「シギの恩返し米」の田植えをする生産者ら=佐賀市東与賀町のモデル水田

 環境保全・循環型農業の実証実験を行う「シギの恩返し米プロジェクト」が3年目を迎えた。本年度は東京五輪・パラリンピックへの食材提供を目指し、12日に田植えをした。肥料の配合比の研究、ITによる水管理に取り組み、ラムサール条約登録湿地にふさわしいブランド米としての付加価値を高めていく。

 プロジェクトは2017年度に始まった。佐賀市東与賀町での減農薬、減化学肥料の特別栽培米「夢しずく」を基に、地元農家や市、県、農協、佐賀大などが共同研究している。冬に裏作をせずに水を張り、渡り鳥の飛来を促して土壌環境をよくするなど試みている。

 本年度は、下水道処理で出る汚泥をもとにした肥料、北山ダムの底にたまった土、有機肥料などの配合比を変えた8試験区をつくって栽培し、収量や生産コストを比較する。スマートフォンで水位の遠隔監視、管理ができるシステムの実証試験にも取り組んでいく。

 栽培面積は前年比50アール増の約82アールで、収量は4千キロを目指す。このうち東京五輪用は38アール、2千キロの収穫を予定する。選手村の食材として認められるため、国の農業生産工程管理基準に準拠した「佐賀県GAP」の取得申請もしている。

 プロジェクト推進協議会の吉村信行会長(68)は「今年は肥料の種類、配合比を絞り込みたい。ITによる省力化、販路拡大に向けたPRにも力を入れる」と抱負を語った。

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