佐賀県がインターネット上で公開している地理情報システム「安図くん」。土砂災害警戒区域は黄色、特別警戒区域は赤色で表示されている

 佐賀県が「土砂災害警戒区域」の指定作業を終えた。県内は1万2764カ所に上り、そのうち危険度の高い特別警戒区域(レッドゾーン)は1万1618カ所で全体の9割を占めた。特別警戒区域の割合が高い背景には、急傾斜地への擁壁設置などの対策が進んでいない状況があるが、2000年度から19年がかりの指定作業が一段落し、今後は区域図を基にしたハード整備が本格化する。

 土砂災害警戒区域は、住居などの近くでがけ崩れや土石流、地滑りの可能性がある危険箇所を県が調査し、土砂災害防止法に基づいて区域を指定する。建物が損壊するなど大きな被害が出る恐れがある区域は特別警戒区域に指定する。警戒区域では避難体制の整備を進める必要があるほか、特別警戒区域では宅地の開発行為などが制限される。

 県内の指定箇所を、想定される災害別に見ると、がけ崩れの土砂災害警戒区域が9089カ所(特別警戒区域8694カ所)で大半を占めた。土石流は3472カ所(同2924カ所)、地滑りは203カ所だった(同0カ所)。地域別では、唐津市が3315カ所と最も多く、武雄市が1992カ所、伊万里市が1257カ所で続いた。

 具体的な場所は県がインターネット上に公開している地理情報システム「安図くん」で確認でき、警戒区域は黄色、特別警戒区域は赤色で表示される。

 土砂災害防止法は1999年に24人が死亡した広島県の土砂災害を教訓に制定された。県は航空写真などを基に02年に作った危険箇所の区域図を参考に、詳細な現地調査などを踏まえ指定に取り組んできた。指定箇所は06年度から随時、市町などに情報を提供してきた。2000年度から18年度までの総事業費は約59億8900万円に上る。

 県内では災害時の避難所が警戒区域に含まれる地域があり、武雄市は5月、朝日公民館を移転して建て替えることを決めた。県河川砂防課は「今後は砂防ダムや擁壁などハード対策に移り、市町のハザードマップへの反映も進む。住んでいる場所の危険性を把握し、適切な避難につなげてほしい」と話す。

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