「囲碁は自由だからこそ難しい」と語る藤村勇斗さん=基山町の東明館高

 「まだ台風を起こしていない」-。東明館高3年の藤村勇斗(はやと)さん(17)はこう語る。佐賀県トップクラスの囲碁棋士で、3月の県アマ囲碁最強者戦で初優勝。さが総文に向けた5月の県予選でも頂点に立ったが、さらに上を見つめる。大会で台風の目になるべく闘志を燃やしている。

 全国大会の最高位は、中学2年の時のベスト16。ただ、潜在能力は計り知れず、5月3日の県予選は、昨年の信州総文祭で3位に入ったライバル別府拓朗さん(早稲田佐賀3年)を下して優勝を飾った。

 祖母の影響で、小学5年から本格的に囲碁を始めた。囲碁教室や碁会所に通って学び、高校からは囲碁将棋部にも入った。インターネットで顔の見えない相手と対戦することもあるが、「石を手にして強い相手と打ちたい」と実戦の緊張感を求め、大人の大会にも出場を重ねている。

 囲碁は石を使って陣地を広げるもので、石を置く場所に決まりはない。初めの一手を打てる場所は361通りあり、選択肢は7手目で億を超えるという。

 藤村さんは「何百回、何千回打っても、同じ対局にはならない」と囲碁の魅力を語り、「自分と違う考え方をする人に出会えたとき、自分にないものが見つかった喜びを感じる」と力を込める。

 進学は京都の大学を志望している。歴史ある囲碁の強豪校に進んで強い相手にもまれ、プロ棋士試験を目指すつもりだ。さが総文で上位入賞すれば、囲碁推薦入学への道も開けるため、「自分の人生にとって大きな意味を持つ大会」と気を引き締める。

 目標は5位以内。勝負ばかりではなく、過去2回の全国総文祭で知り合った全国の囲碁友達との再会も楽しみだ。「囲碁をやめる気はない。いくつになっても続ける」と笑顔を見せる。

 

 メモ 囲碁部門は7月27、28の両日、鹿島市の鹿島高校で開かれる。佐賀からは、藤村さん、別府さんのほか、三輪真之祐さん(東明館2年)、染川千晴さん(鹿島高2年)、藤沙由里さん(武雄高3年)が個人戦に出場。3人1組の団体戦には、今泉奈巳さん(武雄高3年)、古川恭正さん(早稲田佐賀高2年)、小栁勇太さん(武雄高1年)が県チームを組んで全国の強豪に挑む。

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