グランドピアノ設置を喜ぶ角田章裕店長(右)と調律師の西尾誠さん=佐賀市柳町の浪漫座

 佐賀市民会館(2016年閉館)にあったヤマハのグランドピアノが、8日にリニューアルオープンした同市柳町のカフェレストラン「浪漫座」でよみがえった。西尾誠さん(78)=佐賀市=ら調律師6人からも協力を得て、新天地で再び澄んだ音色を響かせる。

 

 ピアノはヤマハの演奏会専用機「フルコンサート」で購入金額は不明だが、同型のピアノは現在約1900万円で販売されているという。1986年に佐賀市が市民会館に導入し、閉館を受けて市文化会館へ移管された。文化会館には既にピアノがあったため、2階のロビーに置かれ鍵をかけられていた。

 有効活用する道を探る中、コンサート会場として人気が高い浪漫座に白羽の矢が立った。調律は市文化会館にある2台のピアノの調律を請け負う6人が担当する。西尾さんは「私たちの監修で若い技術者にもここで調律の経験を積んでもらい、技術修練の場にもしていけたら」と話す。

 浪漫座は同市歴史民俗館の一部「旧古賀銀行」(佐賀市重要文化財)の一角にある。建物の復元から約20年が経過し、外壁や屋根などに痛みが目立ってきたことから大規模な改修工事に着手した。内部から先行して工事を進め、8日にリニューアルオープンを迎えた。外壁の工事は年内をめどに作業を進め、来年の佐賀城下ひなまつりに間に合わせる予定。

 浪漫座は98年に同館で開業した「モダンカフェ」を前身とし、年間約100本の音楽演奏会を催す。趣ある建物や高い天井による音響効果など、1年先まで予約が埋まるほど支持を集めている。4月から改修工事に入っていて、内装工事が終わった7日にピアノを迎え入れた。これまで使っていたボストン社製のピアノも活躍し続ける。

 西尾さんは浪漫座にやってきたピアノを見て「丁寧にメンテナンスされていて、保存状態もとても良い」と満足げに話した。店長の角田章裕さん(57)は「重厚な色合いも素晴らしく、胸が高鳴る」と笑顔を見せていた。

このエントリーをはてなブックマークに追加