東松浦郡玄海町は、家畜の排せつ物を利用するバイオガス発電所を建設する計画があることを13日、明らかにした。排せつ物の活用策を確保することで、これまで飼育頭数を抑えてきた畜産農家は規模の拡大が見込める。建設地は調整中で、2020年度に着工、21年度の運転開始を目指す。

 排水処理装置の設計などを手掛ける「シンコー」(本社・北九州市)が22億1千万円をかけて建設する。牛や豚の排せつ物から抽出するメタンガスを燃料にして発電する設備を造る。電気は固定価格買い取り制度を利用して九州電力に売る。

 町によると、2019年3月末時点で町内の畜産農家は36戸で、牛や豚は計6868頭、排せつ物は年間で7万1千トンに上る。発電所の稼働後は同社が買い取り、燃料として使う。

 家畜の排せつ物は、飼育農家が処分するように法律で義務付けられている。堆肥場で乾燥させ肥料として再利用しているが、町産業振興課は「町内で頭数をこれ以上増やしても、乾燥させる場所も堆肥をまく畑もない。農家は飼育規模を広げたくてもできない状況があった」と話す。

 町は11~12年度、バイオマスセンターの建設を検討したが、巨額な建設費がかかることなどから断念した経緯がある。そのため今回の民間事業を支援する考えで、7月には国が募集する「バイオマス産業都市」に応募、認定を受けた上で交付金を申請し、発電所の建設費を助成するという。

 脇山伸太郎町長は「民間主体で進んでいるが、町の環境改善につながる重要な事業でもある。町と町民、関係団体が一体になって取り組んでいきたい」と話した。

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