虹の松原で松葉かきをする兵庫県の中学生=5月末

 今どきの修学旅行には旅館やホテルに泊まるのではなく、その地域の人々に接したり、農業や漁業、自然を体験し、一般家庭に泊まる「民泊」があります。

 その民泊で5月は毎日のように関西方面の中学校が唐松地域を訪れます。昨年は1年間で5400人、今年はそれをはるかに上回る6900人が訪れる予定だそうです。私たちも虹の松原での松葉かき体験を受け入れています。

 生徒たちは初めての活動に黙々と熱心に、受け入れ家庭の方とコミュニケーションもとりながら松葉かきを体験します。活動が終わって感想を聞くと開口一番、元気に「楽しかった!」「気持ちいい!」と言ってくれます。

 以前、こんなことがありました。松葉かきをしている生徒を見た引率の先生が「掃除をさせるなんて」と抗議されました。修学旅行なのに奉仕活動をさせるな、ということだったのでしょう。

 私は当惑するばかりでしたが、その先生に、掃除ではなく、宝物である虹の松原を次の世代へ引き継いでいくための大切な「再生・保全」活動である、と説明してくださったのは受け入れ家庭の方でした。

 そういう齟齬(そご)がないように体験前に、まず虹の松原や活動の意義を説明しています。そして最後に名刺サイズで連番付きの「活動証明書」を配布しています。何の効力もないカードですが、大事そうに両手で受け取ってくれる姿を見ると本当にうれしくなります。

 数年前、大阪の交番から活動証明書の落し物を預かっていますと電話がありました。拾って交番に届けてくれた方、電話番号をわざわざ調べて問い合わせてくださった交番の方に感謝したことでした。

 これからも胸を張って受け入れ家庭の皆さんと一緒に修学旅行生をお待ちします。

(NPO法人「唐津環境防災推進機構KANNE(かんね)」事務局長・藤田和歌子)

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