食費、水道光熱費、ガソリン代、病院代、車の税金…。えーっとトータルは? 計算していて暗たんたる気分になった。頼りは年金だが、まともにもらえるのは65歳から。しかも「年金だけでは暮らせないから自分たちで老後に備えろ」と。40年近く保険料を払ってきたのにどうなっているのだろう◆さらに国が求めているのは、介護施設に入る直前まで働いて税金と社会保険料を払い続け、年金を受けるのはその後にしてくださいということだ。テレビの解説者が42・195キロのフルマラソンを走り、ゴールかと思ったら「あと10キロ走って」と言われているようなものと指摘していた。出るのはため息ばかりである◆「老後資産2000万円」問題は高齢者にとって切実だが、深刻なのは若い世代だ。今の年金が20~30年後はいくらになるのか見えてこない。これでは家庭を持ったり、子どもを育てたりすることに躊躇ちゅうちょするのも当然だろう。少子化に歯止めがかかるはずがない◆「年金の給付水準が今までと同等のものであると期待することは難しい」―。金融庁の報告書案も書いていたというではないか。さすがに騒ぎになり火消しに躍起になっているが、将来への不安を露呈した◆参院選が近まっているが、年金が今後どうなるのか。選挙前に具体的に示して議論のテーブルに乗せるべきだ。(丸)

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