商売柄わきまえているつもりでも、新聞休刊日はどこか寂しい。きのうの朝、余計そう感じたのは、月曜のくらし面で始まった連載「捨て犬・未来の物語」が気になっているせいでもある◆児童文学作家の今西乃子さんが引き取った柴犬・未来は生後間もなく虐待を受けて捨てられ、そのけがのため譲渡対象とならず、殺処分される直前だった。〈右目はざっくりと切れていて、右後ろ脚は足首から下が切断。左後ろ脚も、足の指が全部切り取られて、なかった〉。こんなむごいことが人の所業かと胸がふさぐ◆札幌市で2歳児がやせ細って亡くなった事件で、逮捕された21歳の母親は、出産当初〈天使すぎて〉とかわいがる様子をスマホに投稿していたらしいが、それもわずか4カ月で途絶えている。訳知り顔で事件を語るのは慎みたいが、自分が駄々をこねて飼い始めた犬や猫を、すぐに飽きてしまう子どもの姿につい重ねてしまう◆北九州市では子ども3人にペット用スタンガンを日常的に押し当てていた疑いで父親が逮捕された。近頃「ペットは家族」というものの、しつけも犬猫同然の悲しい時代である◆〈子は抱かれみな子は抱かれ子は抱かれ人の子は抱かれて生くるもの〉河野愛子。〈人の子〉の含意をそっとかみしめる。捨て犬・未来のように、やっと〈人の子〉になれた命もある。(桑)

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