佐賀県では県民の健康増進を目的に5年前からコンビニ健診が年に数回行われ、特定健診の受診率は向上しているそうです。

 コンビニ健診は、慶応大学看護医療学部の卒業生である川添高志氏(ケアプロ代表取締役)による「ワンコイン健診」から始まりました。川添氏は健康診断を受けていない人3000万人をターゲットに、2008年から血糖値、中性脂肪、コレステロールなどの血液検査や骨密度、肌年齢などの身体測定11項目を、1項目当たり500円で提供しています。このスタイルは、アメリカで展開されている「ミニッツクリニック(保険未加入者のための簡易診療所)」にヒントを得たそうです。ワンコイン健診(現健康セルフチェック)は、新たなヘルスケアサービスとして全国に広がっています。主婦,フリーター、自営業者など定期的に健康診断を受けにくい人たちが、病気を見逃し,重症化するのを救おうという活動です。

 主婦の健康診断・健康意識に関する調査(ソニー損保、2010年)では、20~49歳の主婦の過去1年以内の一般的な健康診断受診率は37.0%、受診率が高い子宮頸がん検診でも33.4%しかありません。未受診の理由は多い順に、お金が無い39.4%、健診へ行く時間が無い32.7%、面倒くさい31.9%、今のところ特に体に異常が見られない29.1%と続きます。主婦の1日の平均睡眠時間は6時間未満で、肩こり、イライラ、日常的に体のだるさなど不調を抱えている人が多く見られ、受けてみたい健診はワンコイン健診58.5%、自宅でできるキット健診40.8%、ランチ付き健診30.0%だそうです。

 もし、私が子育て期の母親に健診ギフト券を贈るとしたら、貧血と血糖値の検査、腱鞘炎(けんしょうえん)や尿失禁のチェックと指導のセットを選びたいと思います。もちろん、託児とランチ付きで。この機会に、健診のあり方について、利便性、費用対効果について市民も巻き込んで議論しませんか。(佐賀大学教育研究院医学域医学系=母性看護・助産学領域=教授 佐藤珠美)

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