厚生労働省の鈴木康裕医務技監(左から2人目)に要望書を提出する山口知事=東京・霞が関の厚労省

 九州国際重粒子線がん治療センター(サガハイマット、鳥栖市)の2018年度の治療患者数は958人で、前年度に比べて1・5倍に増加した。昨年4月、重粒子線治療で前立腺がんと頭けい部がんが医療保険適用の対象になったため急増した。このため専門医不足の課題が浮上しており、全国粒子線治療促進協議会(会長・山口祥義知事)は7日、専門医の育成を厚生労働省に要望した。

 県健康増進課によると、サガハイマットの治療患者数は16年度651人、17年度626人だった。保険適用以前から患者数の半数を占めていた前立腺がんが保険適用となり、治療患者数が飛躍的に増えた。ハイマットは専門医6人で治療しており、「フルで回している状態」(県担当者)が続いている。

 粒子線施設の立地自治体や計画中の自治体13府県と4市でつくる協議会によると、14施設のうち6施設が医師不足、4施設が放射線技師が不足している。サガハイマットはいずれも不足している。将来的には6施設が医師不足、2施設が放射線技師、医学物理士、看護師が不足する見込みになっている。

 協議会会長の山口知事は、厚労省に粒子線治療に関する要望書を提出した。協議会は2年に1度、診療報酬改定に合わせて要望活動をしている。公的医療の適用範囲拡大や先進医療の継続、全国における施設数の調整など従来の要望に加え、今回は「安定的に質の高い放射線治療専門医の育成、確保を図ること」を新たに盛り込んだ。

 県健康増進課は「全国で粒子線施設と治療患者数が増え、専門医を取り合う状況になっている。将来を見据え、国に人材育成を要望した」と説明している。

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