冨永ボンドさん(左)のスポンサーになったコニシの横田隆社長=大阪市のコニシ本社

アクリル絵の具で描いた顔を、黒に着色した木工用ボンドで縁取った冨永ボンドさんの作品。単なる黒のアウトラインではなく、独特な光沢と立体感が特徴だ

 接着剤のボンドを使って絵を描く多久市の画家、冨永ボンド(本名・冨永久司)さん(36)のスポンサーに、接着剤メーカー国内最大手のコニシ(本社・大阪市)が決まった。接着剤の新しい用途を提案する冨永さんの活動を応援するため、同社の看板製品「ボンド木工用」を無料で提供する。

 冨永さんが4日、コニシ本社で横田隆社長と面談し、協賛の承諾を得た。契約書は交わしていないが、横田社長は「物と物だけでなく、人とアート(芸術)、人と人をつなぐという冨永さんの創作テーマに共感した」と快諾した。同社はイベントなど期間限定の協賛がほとんどで、継続して製品を提供するのは異例という。

 冨永さんは福岡市出身。家具メーカーや印刷会社を経て2014年、結婚を機に移住した多久市にアトリエを構えた。「つなぐ」をテーマに、黒く着色した木工用ボンドと絵の具を使った独特の色彩で、人の輪が外に広がっていく様子を表現した作品などを手掛けている。

 ボンドを画材に選んだのは、子どもからお年寄りまで多くの人が気軽に使えるからだという。アートを身近に感じてもらおうと、市内外の街頭で絵を描く活動も精力的に行っている。冨永さんは「メーカーの応援は創作の大きな励みになる」と喜び、「自由な表現で絵を描く楽しさを多くの人に伝えてきたい」と話している。

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