佐賀県西松浦郡有田町は、中山間地域の新たな公共交通の在り方を探るため、AI(人工知能)を活用した運行システムの実証事業に取り組む。予約制の乗り合いタクシー「デマンドタクシー」の最適な運行ルートや時間の判断にAIを使い、利用実態のデータは地域交通の再構築にも生かす。事業の期間は秋から年末までのうち最長2カ月で、対象地域は今後決める。

 実証事業は町とAI運行システムを持つ民間企業、町内のタクシー業者の3者で実施する。利用者がスマートフォンや電話で予約した内容を基にAIが最適なルートを見つけ、利用者宅と所定の目的地の間をタクシーが送迎する。運行ルートの決定をAIが担うことで、タクシー業界の人手不足の解消にもつながるとみている。

 町では現在、西地区でデマンドタクシー、東地区ではコミュニティーバスを運行し、利用者は前者が増加、後者は減少傾向にある。まちづくり課は、運転免許を所有する高齢者の増加や人口減少に伴い「現在の運行形態は将来的には継続が難しい」とみており、今回の事業に取り組む。

 時間帯や目的地などの利用状況はデータ化し、運行日や地区、時間帯、ルートの設定に役立てる。事業費620万円を含む一般会計補正予算案を開会中の町議会に提出しており、10分の9は県の助成を受ける予定。

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