国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門の開門を巡る訴訟で、最高裁が国と漁業者に意見を聞く弁論を設定し、開門を命じた確定判決を事実上無効にした二審福岡高裁判決が見直される可能性が出ていることに関し吉川貴盛農相は5日、「現実に開門することは著しく困難な状況」と述べ、基金での和解を目指す考えを改めて示した。

 衆院農林水産委員会で、立憲民主会派の大串博志衆院議員=佐賀2区=の質問に答えた。

 吉川農相は「福岡高裁判決の確定後、工事着手を試みるなど開門義務の履行に向けて努力を重ねてきた。現実に開門することは著しく困難な状況にある」と述べた。その上で、開門と相反する司法判断にも触れつつ「漁業者の思いでもある有明海再生を速やかに進めるため、開門しない方針のもとで基金による解決を目指すことが最良」とした。

 大串氏は「開門は著しく困難というが、国が徹底的な取り組みをしてこなかったからだ」と批判した。さらに「開門しない前提の基金案は受け入れられない。開門を含み、農業者や、災害が起きてほしくないという地域の方に理解を得られるような努力を大臣の政治判断のもとで進めるべき」と注文した。

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