青木洋介教授=佐賀市鍋島の佐賀大学

 エイズの予防や治療、性の問題を考える第5回AIDS文化フォーラムin佐賀が8日午後1時から、佐賀市天神のアバンセで開かれる。性教育に取り組む医師やAV男優、宗教家らが性を巡る課題について語り合う。入場無料。

 HIV診療医の岩室紳也さんが講演。ゲイであることを公表してLGBTの問題に取り組む牧師の平良愛香さん、伊万里市の僧侶古川潤哉さんらが「宗教とエイズ」をテーマに語る。性教育動画を作ったAV男優の森林原人さん、産婦人科医の上村茂仁さん、女優のしじみさんが動画制作の意図を話す。

 フォーラムは1994年、神奈川県横浜市でアジア初の国際エイズ会議が開かれたのを機に同市で始まり、佐賀では2014年から開催。性や差別にまつわる問題に取り組む医師や学校関係者などが集まり、開いている。

 問い合わせは佐賀大学保健管理センター分室内のフォーラム運営委員会、電話0952(34)3215。

 

 LGBT(性的少数者)など多様な性への認知度が広がっている現在、エイズなど性感染症への向き合い方も問われている。フォーラムを前に、エイズや性教育、性の多様性などに関する問題意識について3人の識者に聞く。

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 HIVに関する検査を受けておらず診断をされていない感染者は、多く見積もると全感染者の約半数に上るのではないかと推測する。

 過去にはHIVへの感染が「死の宣告」と思われていた時代があった。怖くて検査を受けに行けない人もいただろう。しかし、今は十分に治療ができるようになった。1日1錠の服薬で検出限界以下までウイルスを減らすことができ、体調も回復して、他人に感染させるリスクも減る。

 HIVに感染すると、2、3週間後に10日から2週間ほど発熱する。その後、エイズを発症するまでには7~10年を要する。重要なのは、発症前に早く診断を受けて治療すること。早ければ早いほど治療も楽で、ウイルスの拡散も抑えることができる。恐れずに検査を受けてほしい。

 治療が可能とはいえ、予防の意識が必要なのは変わらない。治療薬は一生飲み続ける人がほとんどで、高額医療の治療費負担は自治体に重くのしかかかる。コンドームの使用など、できる限りリスク管理をして感染を予防するよう呼び掛けることが欠かせない。

 HIVだけでなく、クラミジアや梅毒などの性感染症の危険についてもあまり知られていない。クラミジアの放置が不妊につながることなど、その健康被害について知らない人も多い。知ればリスクを管理できる、知らずに病気を進行させることが一番怖い。

 性感染症は身近な感染症で、いつ誰がどうやって罹患するかわからない。そういう文化の中で、私たちは生きている。人ごとではなく、誰もが知っておいてほしいというメッセージを伝えたい。

 

 あおき・ようすけ 1960年、佐賀市生まれ。福岡大学医学部卒、94年から97年までアメリカのスタンフォード大学に研究留学。帰国後感染症の専門医として、感染病診療やHIV診療に携わる。佐賀大学医学部国際医療学講座国際医療・臨床感染症学分野教授。

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