「チームメートがのびのびと戦える、安心感ある主将でありたい」と話す橋口茜里さん=佐賀市城内の佐賀西高

 踏み出す右ひざ部分だけすり切れた練習着が、「畳の上の格闘技」と呼ばれる競技の激しさを物語る。小倉百人一首かるた部門で県合同チームの8人を束ねる主将の橋口茜里(あかり)さん(17)は、「かるたは私のアイデンティティーの一部」と笑顔を見せる。

 読み手の唇から漏れるわずかな音も聞き逃すまいと耳を澄ませ、全身を使って札を取りに行く。相手のタイプに応じて変幻自在に戦い方を変えて主導権を握っていくスタイルで、5月に開かれた県個人戦でも優勝を果たした。

 小学5年から本格的にかるたを始め、6年生の時には佐賀で初めて誕生した有段者4人の中に名を連ねた。小学生ながら自分たちで練習会を企画し、佐賀市内の公民館に集まりかるたに励んできた。

 中学に上がり体が成長期を迎え、成績が伸び悩んだ時期もあった。腕のリーチや身長が変わったことで「動きにキレがなくなった」と評された。変化していく自分の体に都度対応していく経験は、苦労もあったが橋口さんの財産でもある。

 高校生になり、学校の和室を借りて練習するようになった。「仲間を増やし、かるた部をつくりたい」と意気込む橋口さんに、今年は5人の1年生が仲間に加わった。「さが総文でも多くの人にかるたを見てもらって、興味を持ってもらいたい。競技人口を増やして、佐賀の選手層を底上げしたい」と力を込める。

 大会では、開催県チームの主将として選手宣誓を務める。中学生のころ、初めて広島県で全国総文祭を見たときから目標としていたことだ。元号が令和に変わって初めての全国総文祭で夢がかなうことになり「『令和』って言わなきゃ。間違えて『平成』って言っちゃったら大変」と顔をほころばせた。

 

 

 小倉百人一首かるた部門は7月30日から8月1日まで、佐賀市の県総合体育館で開かれる。

 各都道府県8人でチームを組み、5人が試合に出場。3勝したチームが勝利する。体全体で札を取りに行く激しさは運動部さながらで、静かな駆け引きも見どころのひとつ。

 11ブロックに分かれたリーグ戦と決勝トーナメント進出リーグを勝ち抜いたチームが決勝に駒を進める。

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