ヤマモモ

 街路に青々と茂るヤマモモの木は、夏に入る少し前、多数の突起で覆われた1・5センチほどの赤い実を付けます。幼き日、この実を口に入れ、強い酸味に顔をしかめた記憶がよみがえる、懐かしい植物の一つではないでしょうか。

 果実は生薬名を楊梅(ようばい)といい、ブドウ糖とクエン酸を含むことから、疲労回復効果が期待できます。ジャム、塩づけ、ヤマモモ酒など加工して食べることが多いです。さらに樹皮を乾燥させた楊梅皮(ようばいひ)は、3~10グラムを煎じて下痢止め、あるいは湿布薬として捻挫や打撲などに効果があるほか、煎汁は染料にも用いられるなど活躍の場が多いことが特徴です。

 あれから年月が経ち、関心事は味覚より健康に直結する薬用効果に移ってしまうもの…それはあの頃から一歩大人になった証拠なのかもしれません。(中冨記念くすり博物館)

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