小城本町開発組合の役員で、簡易宿泊施設の事業責任者を務める荒川司さん。「町の再生に力を尽くす」と話す=小城市小城町

 観光客向けの簡易宿泊施設が小城市小城町に完成した。JR小城駅や小城公園近くの本町商店街に位置し、7月27日にオープンする。地元の商店組合が事業主体となり、地元の産品を扱う物販コーナーとカフェも設ける。地域の新たな集客拠点と位置付け、空き店舗が目立つようになった街の再生を目指す。

 本町振興会・街路灯組合、小城本町開発組合が整備し、新たに創設したまちづくり会社が運営を担う。建物は木造2階建てで、延べ床面積約300平方メートル。2階に観光客向けのゲストルーム2部屋、大学生の利用を想定したシェアルーム4部屋を備える。1階には共用のシャワー、キッチンに加え、物産コーナーとカフェが入るという。

 整備費は8300万円。このうち4600万円は、経済産業省が2017年度の補正予算で創設した「地域文化資源活用空間創出(商店街支援)事業補助金」を充てた。ゲスト、シェアルームの利用料は検討中で、近く公表する。

 町内には中世の城跡が残り城下町の風情が漂うほか、コイ料理などの名物もある。一方で宿泊施設や地元産品を集めた店は少ない。市の再開発事業で商店街の道路も整えられたが、店舗数はピーク時の3分の1の約40店に減少している。

 事業計画では、23年度までの5年間で商店街全体の売り上げを15%増やす。1日当たりの歩行者の通行量は現状の1・5倍となる約320人を目指す。佐賀市のタクシー会社と連携し、佐賀空港から小城町まで観光客を運ぶ新たな運行プランも検討している。

 バリアフリーや景観に配慮した設計で建設費が膨らみ、開設時期は当初計画から4カ月ずれ込んだ。課題になっていた資金調達は、県内の金融機関など4行による融資でめどが付き、市も6月補正で運営費の補助を計画している。

 事業責任者で、食品販売会社などを営む荒川司さん(64)は「街の活気を取り戻して担い手を育て、小さな店でも営みを続けられるようにしたい」と目標を掲げる。事業の成否については「補助金頼みにならず、自立した運営を目指すことで市民自らが協力しよう、応援しようという機運が高まる」と話し、周辺の店舗や観光施設との連携も視野に入れる。  

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