地質学の観点から有田の陶石などについて語った武内浩一さん=有田町の焱の博記念堂

 有田焼の陶石などに地質学の観点から迫る講演会が26日夜、有田町の焱(ほのお)の博記念堂で開かれた。元長崎県窯業技術センター主任研究員の武内浩一さんが、「有田の龍~火と水がもたらした地球の恵み」と題し、陶石や刃物などに使われてきた同町と周辺地域の火山岩について紹介した。

 マグマが地球の中から上がってきて固まった火成岩のうち、地表近くで固まったのが火山岩。中でもケイ酸成分が多く、粘性がある流紋岩に焦点を当てた。「2百数十万年~300万年前、昭和新山のように地下からもこもこと上がってきて黒髪山ができた」と、流紋岩が形成する竜門ダム付近の絶景の誕生を説明した。

 マグマと地中の圧力で200~300度になった熱水の作用で、江戸時代に有田で金が採掘されたことにも触れ、さらに「熱水は流紋岩の岩体全体を陶石化し、泉山陶石ができた」とした。

 このほか、伊万里市の腰岳で採れる黒曜石は、急速に冷えて天然ガラスになり、1万年以上前に刃物として九州一円や本州に広まったと解説。さらに黒髪山の真珠岩(パーライト)は「粉砕して加熱すると、軽くて断熱性、耐火性に優れるため、高層マンションの建築用資材になっている」と語った。

 講演は同記念堂の「たつじんにマナブ」シリーズとして開いた。

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